写真はバランスゲーム

ことあるごとに自分に軸、軸、軸 ということを言い聞かせている気がします。
写真の中で、前後ろ、左右、そして上下。
それは単に構図の話だけでなくて、時間のこと、露出のこと、そして仕上げやWebでの見せ方、プリント。。
写真で伝えることの全部です。
なぜ単なる写真ごときにそんな風に忙しくするのか。ただ楽しくシャッターをきればいいんじゃあないか?私のその答えは、“そうやっていろいろ考えた方が、考えないよりは楽しい写真が写せるから”なのです。

構図のことで鉄道写真のプロ広田尚敬さんは、“どうして構図が正確なのでしょうか?”と問われ、“自分と被写体の間に二本線を引いて、その中に常に被写体を置くことだ”とおっしゃいました。
私、最初なんのことかわからなかった。で考えてみた。メガホンのお化けみたいなものを自分の前においてそのなかに常に被写体を置いておけば求める構図が正確になっていくということじゃあないかと。
そこに画角や自分の動きをいれて間合いを取っていきながらさまざまな作品像をイメージするってこと。かな?と考えてみた。正しいかどうかわかりませんが、自分はそれで納得しました。

暗い夜の中にも軸はあります。それは簡単なことで、普段自分が通っている場所と時間こそがその軸なのです。
そこに季節という時間の流れがあって、飛行機写真ならば、滑走路を中心に見立てて風がある方向に流れていき、時に月が下から上っていき沈んでいく。
そこに露出や感度のダイヤルのバランスを当てる。いつもの場所と時間を中心軸にして。

動き写真の軸はどうなのか。それはその人の決め一つ。
私は1/30秒という時間であり、ISO3200という魔法の数字なのです。
その大きなバランスの枠のなかで被写体を大きくも小さくもみせていく。それが軸になります。さっきの広田さんのはなしともつながったりしてね。

色はどうなのか。絶対的な白があり、自分の赤や青があります。
“色”は私の写真のなかで一番思慮が足りていないことですが、(それでいいのか?はおいておく)それを花や自然、建物や人の表情、スーパーにならぶ肉や魚や果物に追い求めていたりします。
私にはまず、自分の好きな色が軸です。絶対的な色が正しい軸だとおもいますが、私は自分の色を軸にします。
とはいえ、それが大きくはずれていると見せ方がかわり、一人よがりになってしまう。そこは自分との葛藤があります。面白いことに友人と酒を飲み、その話のトーンやつまみの味の世界からふと引き戻されたりするし、
写真展でほかの方の作品を見たときの印象も軸の位置の参考になります。

それをひたすらに考え、一度経験したことをポケットにしまって整理しながら、
初見や自分のやったことないことに面した時に、できるだけ早く軸を作り上げてみて、
その作品を狙うイメージにするのです。
だから軸は変化していきます。昨日までの軸はもうないかもしれないし、それは3次元とかそういうものでもありません。
そうやって自分の考えを記録していくのが私にとっての写真、そのものなのです。

考えの記録。自分がそこで考えたことが一枚の写真のなかに汗と一緒に詰まっていて、人からあなたは誰ですが?と言われたときにそれがふわっと広がる。写真展の一枚の写真はまさにその結晶であります。

Facebookで過去のこの日という機能があります。いいかげんにしろよというくらい、
私はそれを頻繁に使っていますが、それは考えやその時の軸を意識するからにほかならないことです。
写真がうまいとか下手だとかコントラストがきついなあということよりも、“俺は何を考えていたんだっけ?”という記録をひも解いているような行動です。
面白いことに変わらないものは変わらないし、一つのイベントで大きく軸がシフトしたのがわかったりします。
大事なことは自分がそれを見たときに軸があるかということで、なければないで、それを認めればよいだけです。その迷いがちゃんと写真に写っていれば、それは自分にとってのよい写真です。

では、“自分の考える自分のよい写真は、見る方にとって良い写真か?”といえば、“これはね自分の迷いがちゃんと写っているんです!”てのを
いうわけではないし、“だからすごいでしょ!”ていう風にも私は思わないので、そこにはまた考えるってことが起きてきます。 
たとえば作品展がありますってときに、どうやってその出展作を決めていくのかってこと。
私は、考える時間が許されるのであれば、“その時の自分が一番あらわされている写真”を選びたい、残したいと思っています。

たとえば、去年初めて経験したことが花開いたなあ?それでこの一枚を狙って撮れた、とか。
次はこんな思いで撮り続けてみようかなあ?それでここまで自分を追いつめて新しい自分ができたなあ。。。とかですが、
多くの作品を撮るなかで実際に“決めること”は難しく、考えた結果も空振りすることのほうがはるかに多いですし、そもそも“撮れた”(この場合はプリントまで)と心底納得できないことが99%だったりするのです。

では最後はどうするんだ? というと自分自身をそこで変にブラさないということ。かっちょよくいうと信念めいたもの。だから、苦手でも少しばかりの自分へのはったり(足りなさを補う)とか、大事な軸は軸としてあえてここは別にとっておく、というような少し遠くに自分を置くってのも、学びだと思っています。 
要はそれまでの軸は、築けたそのことで良しとしていったん終わりってことです。

ことしも12月にJAAPの写真展があります。そこにいる一枚の自分は、どんなふうに写るでしょうか。
もう一台のカメラが常に自分を見つめピントを合わせ続けているように感じます。

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2016/10/22 ひたち海浜公園にて コキアを写す

# by qchan1531 | 2016-10-26 07:13 | Comments(0)

甲子園へ

甲子園にいってきました。初めて高校野球を撮影しに行ってきました。
阪神の甲子園駅を出たとことですでに長蛇の列。
。。。列に並んで5分ほどでしょうか、
チケット売り場には”間もなく売り切れ”の文字が。
その後売り切れとなり、ここから1時間半くらい待つことに。 とほほ。

なんとか再販売となり球場に入りました。私の目的は撮影にありましたので、
とにかく一番前に行かれる席を探します。なんとか2番目の席を確保して。。

これが今回のナンバーワンとも言われている横浜高校の藤平君。
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さて試合が始まりました。1回の表。
2死3塁から4番村田がレフト前へクリーンヒット。
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3回センター渡辺が3塁打。
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1塁3塁で6番の公家が見事な3ラン。
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三振の山をきづいてきた藤平。
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横浜の盗塁はこの日5つ。とにかくでたらチャンスあれば走る。得点への執念。
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6回の表。2アウトランナーなしからヒットと盗塁で2塁に出た戸堀が、遠藤のヒットで生還。
6点目。
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6回2死まで投げて13奪三振。
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東北も1点を返す展開となりましたが。。。
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7-1で横浜の勝利。
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売り切れチケットの再販売を待った甲斐はありました。
何より高校生の気迫あふれるプレーを撮影するのが楽しかったなあ。
できることなら写り込みの少ない席でもう一度500mmで勝負してみたいです。
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# by qchan1531 | 2016-08-14 08:16 | Comments(0)

2015を振り返る 7-12月編

さて今日は2015年12月31日。
JA873Aはジャカルタへ旅立ち、オールブラックスのNZ便はもうじき成田を離陸する。
そんな日に、今年後半をふり返ります。

1. 7月は関西へ。小中学生の飛行機写真撮影会の作品展、JAAPのSKYGRAFFITI 2015の大阪会場での受付担当。 小さなカメラマン達の笑顔とともにたくさんのお客様にお会いしました。
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2. 8月は成田の一番機で有名だったカンタス航空のジャンボ便が羽田に就航。
新しい早朝深夜便の仲間入りとなりました。
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3.9月は福岡へ。昨年は行くことができなかった福岡空港 空の日写真展。
今年はきっちり予定を組んで。夜はブログでお世話になっている方とゆっくり飛行機談義。
ひたすら語る中で得るものはたくさん。自分へのお土産は何より仲間と語る飛行機の話。
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4.行きたかった板付の旋回。 ポジションを探して駅前広場から団地の軒先まで。
とにかく私はこの旋回が見たかった。
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5.撮りつづけている羽田近くの中央防波堤近辺。
ぎりぎりの雲低高度。1200ftだったかなあ。長距離を飛行するために低く上がってくれた政府専用機。
私はブラさない。ひたすら飛行機にピントを合わせ続ける。
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6.観艦式。自衛隊の艦船に乗って文字通り縦横無尽に動き回る。
普段は夜の撮影が圧倒的に多かった私だけれど、この海の広さと空の青さはあまりにも衝撃であった。
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7.防人たちが真っすぐに整列している。この緊張感と普通の人としての笑顔。
対照的な空間がかわるがわるにやってくる。自分は何を撮りたいのか。どうすれば表現できるか。
悩んでいるよりもみたものに素直にレンズを向けてシャッターを切る。
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8.船を下りてもまだ撮り続けた。真っ暗な港に男たちがゆっくり帰ってくる。
自分の眼には見えた。まったくの無音の世界を滑ってくる塊。 
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9.11月。羽田の夕方もどんどん早くなってくる。ルフトハンザドイツ航空の旧塗装。レトロ塗装機。
夕方の太陽をかすめるように大きな旋回に入ってゆく。
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10.12月。いよいよ聖地ニュウタバルへ。 何もわからない、用語もろくに覚えていない状態で、
頭上で8の字を描き、離陸してすぐに急上昇していく戦闘機達をシューティング。
なんとか持ちこたえなければ。 自分の写真を撮ってこなければという思い。
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11. ファントム。ファントム。ファントム。
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12.背中パッカンである。もう何も言うことはなし。ブラさない。それだけ。
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13.年末は積極的に成田空港で朝から晩まで撮り続ける。
得てきたものを試す。思い立ったものを試す。とにかく攻め続ける。それだけ。
やっていれば何かがきっと起きる。自分の写真をつくるのが何よりも大切。
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カメラ3台、レンズも3本。良く撮りました。 あっという間は何度も経験しましたが、あっという、言わせる作品を
仕留めることは今年もかないませんでした。
しかし止めなかった。止める暇もなかった。四六時中、写真を考え、毎週毎週末に今年もシャッターを切って
作品を積み上げてきました。この思いや経験、成果はもうすこし後になってじんわりじんわり自分の写真観としてあらわれてくるでしょう。
たくさんの方にお会いし、撮られるほうのなれない記念写真まで。。。
これでいいのかな。悩みながら、酒をのみ、いつもスマホを握ったまま寝床につきました。

来年も撮ります。FLY DAY NIGHT 第2章。得たものを前に前に。
撮り続けることが自分の夢。憧れは自らへ向けられる。

今年も皆様には大変お世話になりました。 来年も一人でも多くの方に出会って、写真の話をできたら嬉しい。夜の写真もきっと普通の世界になる。
次の夜はどこからやって来て、誰がPLEASUREDOMEに収めるのか。。
来年早々1/16にスライドショー新年会をやります。そんな写真のお話をしたり聞いたり出来ればと思います。
ご興味ある方はぜひご連絡ください。 写真はコミュニケーション。誰しもが自由に表現できる世界。
# by qchan1531 | 2015-12-31 14:48 | Comments(3)