もらったチャンス 25/January/2017

私はそこでその朝黙々とシャッターを切っていた。黙々とは嘘で

‘こいこーい‘とかぐちゃぐちゃ口走ったかもしれない。

どちらにせよ、来る者見たものを撮り続けた。

それがそこで私がやるべきことだと思ったからだ。

もらった機会だからもったいない。そう思った。

そこでしっかり撮って、自分の結果作品から何かが動けばそれでいいとも思っていた。

だからレンズも頻繁に変えた。カメラも交互に付け替えたりして、

その場面で自分が考えて結果を出すというフローを繰り返し終わりまでやり続けた。

その日のポイントは光だ。光の変化。影はさておいて、光や光の変化、機体の中での光の濃淡を

どうやってつかむか、そこを重点ポイントにした。

すべてそれだけだという意味ではないが、まったく意識しないで撮影するということではなく、

そのことを先に念頭におきシャッターきるというのが、その日その機会で気に留めていたことだ。

もちろん結果を出さなければならない。だけども今の私には

先に気負ってしまっては結果が出せないということがわかっているから、

目の前にできる光景から頭を働かせて、キャプチャをし続けた。

意識したからと言ってすぐに結果が良くなるわけではない。そんな簡単ならはるか前からやっている。

でも今までの自分は、そうやっては失敗して、何が悪いかリベンジして、

また失敗して、それでも辞めずにやり続けて一握りの成功作品を作ってきた。

今回も最善の策には至らなかったけど、

思っていたがそこでできたという瞬間があった。

フォトグラファーとしてうれしいのは、そういう瞬間だと思う。
うまいとか下手とかでなくその向こうにある景色を見通せるかどうかなんだ。

結果山ほど課題写真だけが残った。どれも歯ごたえがあるがよく考えれば当たり前のこと。

それだけ頭で汗をかいたということだろう。いつもそうできればよいが、人間やはりそれが怖いし、
途中でさぼりたい。

そもそもRAWファイルのサムネイルに対峙する前に、いつも缶ビールのふたに手がいく。

先日から石元泰博さんの足跡をたどる本を読んでいた。世界中から評価された著名すぎるプロ写真家だけれど、

有名な写真集の舞台となったシカゴの街の撮影は、朝6時から夜中まで、そのあと暗室現像という作業を

3年間繰り返して、“自分のシカゴ”を探し続けたのだそうだ。プロでさえなのか、プロだからなのか、そんな努力が礎にある。




by qchan1531 | 2017-10-25 16:13 | Comments(0)
<< 現場ワークフローとか   26... やっとここまでこれた。 >>