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2015を振り返る 1-6月編

少し早いですが、2015年の自分と写真のふりかえり。

1.  1月は早々から成田の博物館で撮影会。
どちらかというと、一緒に行った息子の”親父落ちつけよ”の一言が話題に。
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2. 2月。またここに立っていた。寒くてつらい夜。私はこれを罰ゲームと呼んでいるが、
いつまでも終わりのない闘いが続く。
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3. 3月。1月のあの一件をつくがえすように夜通し成田で撮影。
これは徹夜あけの太陽。そこにNCAのジャンボが絡んだ。後に福岡の写真展での展示作品となった一枚。
この場所ではその後もD3で撮影することが多かった。とても信頼できるカメラだ。
 
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4. 4月。ここでも成田に行っている。
今年は狙いに行ったのだ。自分の抱く写真のイメージに近づける一枚をつかみ取りに。
真夜中の成田はさびしい。その空気を一瞬で切り裂くのが、遠くから近付く飛行機のエンジン音。
ぜったいにブラさない。いつまでたってもそればかり唱えて撮っている。
この一枚は六本木のフジフイルムスクエアで行われた写真展への出品作品となった。
ことし一番忘れられない一枚だ。
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5. 5月。この5月に撮影した枚数は一番少なかったかもしれない。
逆を言えばいろいろに悩みチャレンジしようとして失敗を繰り返した時だったのかもしれない。
この2枚は比較的珍しいもの。どちらもこの時しか撮れていない。
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6. 6月は撮影枚数が多かったように思う。条件は良いとは言えないけれど、それを逆に狙いに行っていた。
ひたすら遅いシャッターにばかりこだわっていないのもわかる。
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5月には富山空港での写真展にも出展させていただいた。一番やりたかった若い方々との写真展で、
出展作は最後の最後まで迷ったのを覚えている。にもかかわらず日程の都合がつかず、
富山にはとうとう行くことができなかった。
写真展に出展するのであれば、それがはじめてのことならなおさら、自らの作品はその目で見届けなければいけない。そんな気持ちを抱きながら、7月の大阪で行われたJAAPの写真展を迎えることになる。
そこではたくさんの笑顔にえぐりあうことになった。
# by qchan1531 | 2015-12-27 15:32

偏り

偏った撮影だったのかもしれないな。
羽田の夕景を背にした上がっていく飛行機をみながらふと思った。

ファイルがずらりと並ぶPC画面はいつも真っ黒。
そのほとんど(まあざっと100枚から300枚とっても1枚か2枚しか残らない)がピンボケやブレの写真ばかりだ。

今年の後半は観艦式も新田原もはたまた息子の体育祭をも快晴に恵まれた。
思い切ってシャッターを切ることができたことがそんな考えに行き着いた理由かもしれない。

写真仕上げ(私の場合はAdobe Photoshop Lightroomを使用してのRAW現像プロセスを指す)については
JAAPの活動や写真展、講習会のお手伝いや会員、入選者の方々との懇親会、
あとは普段の飲み会やテーマの決まったイベント(これが一番大事だった)などを通じて
一つ一つ自分に必要な情報を集め、得たものはすぐに家の環境で試してみた。
当たるものは残し、外れたものはまた次の機会を待った。そこで常に念頭にあったのは誰のまねでもなく“自分が求める結果”だった。
これも不思議なもので快晴のふんだんな光のある作品を前に、ぱっと目の前が開けた気がした。
自由度が全然違う! ヒストグラムやトーンカーブから始まり、明瞭度やコントラストそのできうる幅の広さが格段に違っていた。
夜のスローシャッター写真の大半はシャッタースピード,ISO,ノイズ,そして暗部補正に明け暮れる。裏を返せば4つのパラメーターしか見ていなかったことになる。
(実際は詳細になるのでまったく見ていないということにはならないが感覚的には4つのみということで違和感はない)
では晴天の昼間は何が違うのだろう。
一番は豊かな諧調そしてコントラストだ。当たり前のことだし、写真表現の基本中の基本だろう。
それを見ずに自分は遠いところで独りよがりに演じていたことをいまごろやっと知ったのだ。

ならばこれからは楽だなあということではない。確かにトーンカーブもヒストグラムもおおむね量感たっぷりだし、きれいな形をしている。
極端に言えばその時点で何もしなくても立派な写真として成り立っているのだ。(実はこれにも裏話があり、最初はそうではなくどれもアンダーな写真ばかり量産していた。
夜に慣れたせいでハイライト基準が極端にアンダー寄りになっていたからだ)
ではどういうことか。
そこから先の処理が自分の狙いや作品表現の領域になってくるということだと私は考えた。
私は今年その領域での丁寧な作業時間や環境をほとんど経験せずにいた。もっと言えば今までずっとそうだった。

今のワークフローはどうか。(まだ決して人並とは言えないけれど。。)
まずハイライト、シャドウから明は明に暗は暗にの幅をだしていく。(編集を行う前のフラットな状態つくり)
その前にホワイトバランスを整えるのが先にあるケースもあるが、実は快晴で一番難しいのが青が被らない環境づくりだったりする(ので後回しにしてしまうのも本音)
そして写真にメリハリをつけていく。夕陽のコントラストや暗部に味をつけていくのである。(最後までやりきらずに余地を残す)
次は色かぶりか。おもに胴体暗部の青かぶりをどこまで残すかを決める。(ホワイトバランス調整と色かぶりは結果的に同じになるときもあるが私は考えの中で別扱いにしている)
ここでやっとノイズやシャープを考える。同時にClarityとコントラストを範囲指定していじっていく。(これは最近のはやり。ゴージャスで量感あるHDRライクな表現)
機体に照りを出して、磨きをかけるようなもの。(光線方向がみえる反射角度でなければやっても効果は出ない。順光ならなんでもよいではないところが肝)
ここまでで骨格を決めてあとは全部のパラメータを細かく調整して自分の表現を突き詰め作り上げていく。 それを芽のありそうな写真一枚一枚に施していくという当たり前の作業。

自由度があるということは、それだけ撮り手のセンスが問われるということ。
最高級カメラ、レンズを使ってできるのは、その調整の幅が少ない、言い換えると何もしない最初の段階で、よいバランスができているか否かの
違いでしかないように思う。(もちろん性能、仕様的にできないものはできない。たとえばゴーストフレアはあとで消去できるときもあるが発生自体を防げるかは機材性能に依存する)

まだまだ人並とは言えないワークフローと表現したけれど、私と同じ踊り場?にいる方々は世界中にたくさんいるだろう。
フイルムカメラにはフイルムごとの色仕様があったけれど、デジタルにはそれがない。それは撮影者だけが設定をし記憶動作させることでできること。
だからデジタルなんだ。そこをいち早く抜け出せるか否かで、その先に待つ楽しさは大きく違ってくると思う。

週末は晴れるだろうか。
# by qchan1531 | 2015-12-11 12:11

放心状態

放心状態である。
憧れの地、新田原基地に行ってきたのだ。
普段、私のほとんどの撮影地は東京羽田空港。あとは成田である。
新田原は宮崎。そもそも宮崎にも行ったことがない。
なのになぜそこがあこがれなのか。その理由すら言葉に表せない。行ったことがなければ言いようもない。
仲間の人はその地で自転車をこぐといい、ある人は、平日から撮るものだという。
すべてが未経験。いったいどんなところなのか。それを確かめるチャンスがやって来た。

今年、私はある人に張り付いていた。JAAP(日本航空写真家協会)の会長 瀬尾央さんだ。
”新田原だよ”その人がそう言っていた。一体どうゆうことなのか。

私はJAAPの会友の一人である。JAAP会員の方々の推挙によってその会友になることができる。
その中で唯一私だけ受賞歴がない。
末席の私がやるべきことは何か。その答えを探し出すように瀬尾さんに張り付いていた。
大阪での子供向けの写真撮影会のお手伝い。JAAPの写真展 18th SKY GRAFFITI2015への参画。
海上自衛隊観艦式での撮影。そして今回の新田原。
もらえるチャンスに食らいついてきた。撮ってみろ。経験せよ。そう言われているように感じていた。
いうなれば今回は一年の集大成。

できることは撮ること。そこで何かを感じて、失敗し、そこから学んで次に生かすこと。
それができなければ次はもうない。這い上がるには撮って結果を出すしかない。

新田原。そこはだだっぴろい。広すぎて自由すぎる。自分がどこに立つのか。どう撮りたいのか。
そこで出会った人が自然に口ぐちにそう言う。笑いながらもみんな自分で考え狙っているんだ。
それが証拠に人の影はあちこちに点在している。密集がない。独特の感覚で静かにレンズをなでている。

そこで3日間を過ごした。自分は何を得たのか
積み重ね、体系だて、予測。実行。そして作品としての仕上げ。
とくに最初の二つ。積み重ねと体系だて。それを学んできた。
実は私は会友として、JAAPのイベントの中でスローシャッターでの夜撮影の体験談をお話したことがある。
それも会友として何ができるかを考える一つの答えだった。
その中で瀬尾さんからお話した内容からのフィードバックとして、シラバスという言葉をいただいた。
履修要覧とか学習計画と言えば正しいか。
私の内容はある場面での撮影学習計画として伝えることができたのだとおもう。
つまりは、体験をどのように経ていくか。
ただやっていくだけではなくて、その場面場面で考えて、それを積み重ねていくということ。
自分はそう思っている。

写真未経験の小中学生にどう飛行機写真の楽しさを伝えるか。
観艦式の長い一日を通じて写真から何を伝えるか。
未経験な場面で超望遠のレンズを持ってどう予測できるか。

そして今回。航空自衛隊新田原基地。ここには奇しくも上級を目指していく”学生”から
”Top Gun”と言われる最高峰の技量をもった隊員、そしてベテランの域にある教官クラスまで、
一日のなかでそうした隊員が操る練習機や戦闘機を撮影する。
中には模擬的に地上を攻撃したり、空中戦をイメージする訓練やデモ展示もある。
私もある意味、ここでみていただく、みせる状況にあるのか。。そう感じていた。

結果はどうか。食らいついて行くのが精いっぱいだった。
シラバスは、夜明け前、展示準備中の機体整備風景の長秒露光から始まる。
早朝はアラートスクランブルで待機する戦闘機が交替のために出入りする風景も撮る。
隊員の離陸風景は単独のものと二機で同期していくものもある。
そして空中に上がれば、機動飛行と言われる縦横無尽に高速で動き回る戦闘機。
ここで自分的にはクライマックスを迎えた。
これを500mmレンズにテレコンを装着して撮る。
1.次にどこから飛行機が飛んできて、どこにどうやって飛んでいくか。
2.光線は見えているか。”自分こそ”が作る光線はそこにあるか。
3.どのタイミングでどの姿勢のどんな構図を作るか。BESTな瞬間はどこか
4.そのとき自分は、ファインダーのどこを見ているか
シャッターは切った。できる限り考えながら。でも自分には記憶がない。
これはどこかに似ていた。JALのジャンボが飛んできた数年前の時だ。
シャッターは切った。でも覚えていない。やはりどこかで撮らされていたのだと思う。

では何が違うのか。前よりはブレテいないし、構図も枠もめちゃめちゃではない。
全くピントが抜けているコマがないこと。悔しいかなそのレベル。
それでも自分が積み重ね、観艦式で手持ちで持ちこたえた一日があってその日があった。
航空祭中心で撮影している方々は少ないチャンスの中で、経験を積み重ねている。
一度失敗したら、次のチャンスは次の航空祭や翌年になる。
獲物を狙うその顔つきはみんな笑顔にあふれていたが、その実思いは強いのだ。
それを学んだのは一番の収穫だったかもしれない。

”予測できなきゃあつらいわな。” 教官はそう言った。
”でも1回経験してるかで違うんだよな” 私は大きくうなずいた。
その言葉の意味は何か。しっかりかみしめなければならない。
貴重な経験を何度もさせていただいた。瀬尾さんやJAAPの会員、会友の皆さんに改めて感謝したい。
新田原の現場でお会いした仲間や愛好者の皆さんにもお礼を言いたい。
私ができることは何か。しっかり過程を振り返って、できないことを修正克服して、
成果を出さなければならない。

昨日も今日も羽田に行ってきた。当たり前だけれど、楽に撮影ができる。
JALのジャンボが最後の着陸をした日。肩を落として悔しんだ。
だけれどそれがあって国際線の夜を追いかけ始めたんだ。
やれることはまだまだたくさんある。 人生バカヤロウである。
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# by qchan1531 | 2015-12-06 20:00 | AF-S Nikkor500mm f4G