日が暮れて、みんな家に帰っていく。
踏み切りでは、ラッシュの時間の短い間隔のダイヤにあわせて電車がせわしなくやってくる。
次も、またその次も。
なんだか昼間に見るより速く感じる。みんなホントは早く帰りたいんだ。
強い光で照らしながら目の前をとおりすぎていく。加速して減速して。また加速して。
通り過ぎた後には、台車の音だけが残る。しばらくして遮断機も上がる。この繰り返し。
みんな待ってる。開くのを。目の前の電車が通り過ぎる、その先を見つめながら。
開いているとありえない光景。通過電車の向こうに一瞬知った顔が見えた。笑顔。
背の高さのすぐ上すれすれ。それはいきなり現れる。なのに誰も振り向かない。
当たり前の光景。
夕方の風景。